あいおいニッセイ同和損保 MS&AD INSURANCE GROUP

サステナビリティ推進担当役員メッセージ

SUSTAINABILITY PROMOTION OFFICER MESSAGE
サステナビリティ推進担当役員メッセージ

取締役常務執行役員 サステナビリティ推進担当役員 兵藤 郁子

取締役常務執行役員
サステナビリティ推進担当役員 兵藤 郁子

当社は「CSV×DX」という戦略を軸ににさまざまな取り組みを進めています。これは未知のリスクや社会、地域課題と向き合い、データやデジタル技術の活用を通じ、それらを解決する保険商品や新たなサービスを国内外のさまざまなパートナーと協力し生み出すことによって、安全に安心で快適な、新しい社会を創り出そうとする考え方です。中期経営計画において「サステナビリティへの取組強化」を基本戦略に掲げており、3つの重点取組みとして「健やかな地球環境を未来につなぐ」「レジリエントな社会の実現へ貢献する」「すべての人の幸福と自分らしい生き方を支える」の実現を目指します。 昨今では、世界中で大規模な豪雨による洪水や台風、森林火災など、自然災害による深刻な被害の発生が続いており、当社は本業である損害保険事業を通じて持続可能な社会・経済を支えることにへた防災・減災に資するソリューションの提供によりレジリエントな社会の実現へ貢献していくことが重要な役割です。 自然と調和しながら可能な社会に向けて、当社グループは、生物多様性を守り、自然の恵みを生かしながら、自然災害の被害を和らげ地域を活性化する好循環を生み出す考え方を「グリーンレジリエンス」と称し、「気候変動への対応」と「自然資本の持続可能性向上」に向けて統合的に取り組んでいます。

事業活動を通じて、社会課題を解決する

健やかな地球環境を未来へつなぐ(Planetary Health)

健やかな地球環境を未来につなぐでは、相互に関連している「気候変動への対応」と「自然資本の持続可能性向上」を軸に取組んでいます。
当社グループの温室効果ガス排出量を2019年度対比で2030年度に50%削減し、2050年度にはネットゼロとする目標を掲げ、自社の削減取組みを進めています。
商品・サービスの提供では、当社の代表商品であるテレマティクス自動車保険を通じて、安全運転に貢献し、その結果CO2排出量の削減や事故の減少につながるといった地域・社会の課題解決を進めています。また、お取引先との対話の中で脱炭素に向けた課題を共有しながら、GHG排出量削減に取組み、気候変動への対応をともに進めていきます。
自然資本のき損への対応としては、英国Natcap社※1と企業活動が自然資本や生物多様性に与える影響を評価し、事業リスクを診断するソリューションの共同研究開発をしており、今後お取引先等へ本ソリューションを活用した提案活動を通じ、課題解決を進めていきます。

  • 英国 Natural Capital Research 社

レジリエントな社会の実現へ貢献する(Resilience)

レジリエントな社会の実現へ貢献するために、防災・減災力の強化による持続可能な地域・社会づくりの推進や産業構造の変化に伴い隆起する新たな企業との連携・支援を進めています。当社は、2016年から地方創生プロジェクトに取組み地方自治体、地域金融機関、地域企業等と連携し、地域の課題解決に向けた取組みを絶えず進めています。
例えば、防災・減災力強化の取組みでは、台風・豪雨・地震による建物被害をリアルタイムで予測する世界初※2の「リアルタイム被害予測cmap(シーマップ)」をウェブ・アプリで無償公開しており、災害前後のリスクを地図上で可視化し地域の防災・減災にお役立ていただいております。また、近年の気候変動の影響等により、降雹による災害は増加傾向で社会課題化しており、被害軽減に向けた対策が急務となっておりました。
そこで、降雹の事前検知に関する共同研究を株式会社エムティーアイと2022年より開始し、2023年には共同開発した降雹予測ロジックをもとにした実証実験※3により、精微な降雹予測を可能とする降雹予測アルゴリズムを構築しました。本機能および豪雨の予測情報を2024年6月から「降雹・豪雨アラート(予測)」としてcmapに追加し、2025年4月にはSMS投稿を活用した「降雹発生アラート(実況)」を導入しました。これらを組み合わせることで、より正確な降雹情報を事前にお知らせし、事前避難につなげ、被害の未然防止に役立てていただきます。

  • 2019年6月当社調べ
  • 2023年6月28日から9月28日の期間に東京や北関東を中心に実証実験を実施

すべての人の幸福と自分らしい生き方を支える(Well-being)

昨今、グローバル化やデジタル化の進展に伴い、人権リスクはますます多様化・複雑化しています。当社はこうした社会情勢を深く認識し、すべての人の幸福と自分らしい生き方を支えるために、人権尊重と人財を経営の最重要課題の一つとして位置づけています。当社の目指す姿である「CSV×DXを通じて、お客さま・地域・社会の未来を支え続ける」の実現に向け、多様な価値観を積極的に受け入れ、全社員が安心して挑戦できる環境づくりに一層取り組んでいます。
また、スポーツ振興においては、共生社会の実現と「地域密着」のさらなる推進を目指し、スポーツ支援やパラスポーツ支援を積極的に行っています。これらを通じて、スポーツを媒介とした地域貢献活動や教育支援を展開し、持続可能な成長と共生社会の実現に貢献してまいります。
社員一人ひとりが地域・社会の課題に自分ゴトとして取組み、お客さま、代理店、取引先をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまとともにCSV×DXを加速させ、「社会のサステナビリティ」と「当社の持続的成長」の同時実現を目指し、取組みを推進しています。

自然資本・生物多様性取組み ネイチャーポジティブな社会の実現へ
自然資本・生物多様性リスク開示支援サービスの提供を開始

2025年6月 「Natcap・あいおいニッセイ同和損保パートナーシップフォーラム2025」でのKathyWillis教授(Oxford大学生物多様性教授)による講演の模様

2025年6月 「Natcap・あいおいニッセイ同和損保パートナーシップフォーラム2025」でのKathyWillis教授(Oxford大学生物多様性教授)による講演の模様

これまで当社とAIOI R&D Lab-Oxford※4、Natcap社※1で、企業活動が自然資本・生物多様性に与える影響から被る事業リスクを診断する新技術の共同研究開発を行ってきました。
2025年2月にはNatcap社と資本業務提携を行い、両社の生物多様性リスクソリューションを強化するとともに、その第一歩として自然資本・生物多様性リスク開示支援サービスの提供を開始しました。(自然資本・生物多様性リスク開示支援サービス紹介動画
6月には、駐日英国大使館、AIOI R&D Lab-Oxford、ならびにNatcap社と「Natcap・あいおいニッセイ同和損保パートナーシップフォーラム2025」を共同で開催し、ネイチャーポジティブに関する講演等と共に、本ツールの説明ご紹介をしました。今後、参加されたお客さまやお取引先等へツールを活用した提案活動を通じ、「ともに」課題解決を進めていきます。

環境や生物多様性の維持・向上が世界的な課題となっており、TNFD※5による提言を受け、日本でも2023年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」が、2024年3月には「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案」が閣議決定され、生物多様性と経済および社会の持続的発展との両立が求められています。
今回当社が開発しているツールは企業情報等を入力いただくことで、優先的に取組むべきリスクを定量的に評価することを目的としています。
本ツールを利用していただくことで環境・生物多様性の維持・向上に対する企業の行動変容を促すことを目的としています。また、本ツールを通じて当社と企業との関係を強固にすることで、お客さまとともにCSV×DXに取組み、ネイチャーポジティブな社会の実現を目指しています。

  • 当社と当社出資先のオックスフォード大学発のAIベンチャーである Mind Foundry社の間で英国に設立した共同研究所(Webサイト
  • 自然関連財務情報開示タスクフォース(The Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)金融機関や投資家の適切な投資判断のために、企業における自然資本や生物多様性に関するリスク・機会の開示を促すためのタスクフォース