ビッグモーター社による不適切な自動車保険金請求に対する対応状況について(続報B)(最終更新日:2023年10月16日)
2023年9月20日
ビッグモーター社(以下、「BM社」)が公表した不適切な自動車保険金請求に関しましては、お客さま・関係者の皆さまにご心配とご迷惑をお掛けしており、心よりお詫び申し上げます。
当社では、今回の不適切な自動車保険金請求が発生したことを厳粛に受け止めており、不正請求の全容解明と本件で被害にあわれたお客さまの被害回復を最優先に対応するとともに、原因究明と再発防止策の策定・実行に努めております。
今般、被害にあわれたお客さまはもちろんのこと、本件をきっかけに過去の修理内容にご不安をお持ちのお客さまの一日でも早い被害回復を最優先に取り組む観点から、「当社独自調査結果に基づくお客さま対応」を進めることとしました。また、AI・デジタルを活用した不正請求対策の取り組み状況等についてもお知らせします。
※ ビッグモーター社は、株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス、株式会社ビーエムハナテンの3社をいいます。
1.当社独自調査結果に基づくお客さま対応
現在、当社独自調査※1の結果、不正請求の疑いが認められた事案を毎週BM社に通知し、BM社が不適切な自動車保険金請求を認め、当社とBM社で支払保険金額を再協定した事案から順次当社からお客さまにご連絡させていただき、保険使用のご意向確認等の対応を進めております。
今般、当社はお客さまの一日でも早い被害回復を最優先に取り組む観点から、BM社との再協定を待たずに「当社独自調査結果に基づくお客さま対応」を開始することとしました。
※1 遡及調査が可能な2016年4月以降にBM社に入庫・協定してお支払いをした自動車保険金(車両保険金・対物賠償保険金)の事案を対象として、車両損害の専門知識を有する当社職員が、当社が保有する当時の事故資料等を再検証して確認する調査。なお、BM社に対しては、当社独自調査と並行し今般の修理費不正請求にかかる過去の修理事案の修理内容および修理費請求の全量調査の実施を引き続き強く要請しております。
(1)当社独自調査の結果、不正請求の疑いがあるお客さまへの対応
当社が確認した不正請求内容をもとに、お客さまへのご説明・保険使用のご意向確認等を実施します。
<具体的なご案内の流れ>
当社より上記対象のお客さまにご連絡し、改めて過去の保険使用についてご意向を確認させていただくとともに、保険を使用しないご意向のお客さまには、過去に遡り自動車保険の等級訂正・保険料の返戻対応を行います。なお、等級訂正・保険料の返戻後にBM社の調査によって不正請求有無・不正請求金額が確定し、当社独自調査結果の見解と異なる場合は、以下対応を行います。
@ BM社が認定した不正請求金額が当社独自調査の金額を超える場合
BM社認定金額と当社独自調査結果(不正請求金額)との差額を追加でお客さまに返戻します。
A BM社が認定した不正請求金額が当社独自調査の金額を下回る場合
BM社認定金額と当社独自調査結果(不正請求金額)との差額は、お客さまには求めず、当社にて負担します。
BBM社による調査の結果、不正請求の事実が確認されなかった場合
当社独自調査結果をもとに返戻した不正請求金額について、お客さまからの返戻は求めず、当社にて負担します(当社独自調査結果に基づき行った等級訂正については、再度の等級訂正は行いません)。
(2)当社独自調査の結果、不正請求の疑いがないお客さまへの対応
当社独自調査の結果、不正請求の疑いが確認されなかった旨、書面等でお客さまにご報告します(11月下旬予定)。
2.お客さまのご不安解消に向けた当社の取り組み状況
当社は、全容解明とお客さまの被害状況の確認および被害回復に向けて、2023年10月末の調査完了を目標に当社独自調査を実施しており、9月15日時点で調査対象件数(約2.1万件)のうち、約1.6万件の調査を完了しております。また、事故に遭われたお車をBM社にて修理されたお客さまには、7月31日より順次ご案内文を送付しておりますので、ご不明な点やご不安等ございましたら、BM社による不適切な自動車保険金請求に関するお客さまサポートデスク※2にお問い合わせください。
※2 お客さまサポートデスク:0120-260-503(年末年始を除く、全日9:00〜17:00)
2023年10月16日より受付終了時間を17時に変更させていただきます。
(1)AIやDXを活用した不正請求対策の対応状況
@AIを活用した不正検知システムの開発(Aioi R&D Lab-Oxfordとの共同取組)
当社は、修理費の不正請求撲滅に向け、保険金支払いシステムおよび事故車の損害調査システムに蓄積した事故車両データを活用した修理費に関する不正検知システム(以下、本システム)の開発を行っております。2023年12月より当社提携修理工場から運用を開始し、対象範囲を順次拡大していきます。
本システムでは、420万件の事故車両データをAIに学習させることで、事故車両の車名・型式、損傷箇所、取替部品、作業範囲、塗膜の種別など、数百種類に及ぶ詳細な事故車両に関するデータをAIにより多面的かつ網羅的に分析することができます。また、当社が把握している不正請求データや不正請求時の見積り内容に表れる傾向等もAIに学習させることで、不正疑義モデルの構築を行います。
当社は、本システムを活用することで、より正確かつ迅速な不正検知と不正疑義事案の選別が可能となり、画像調査から立会調査への切り替え等、修理車両の調査体制強化に取り組んでまいります。
なお、開発はオックスフォード大学のAIベンチャーであるMind Foundryと当社との共同研究所であるAioi R&D Lab-Oxfordを中心に行います。また、今後はテレマティクスデータや事故画像など、分析対象データの拡充も継続的に検討してまいります。
A事故損傷箇所の保全に向けた新たな機能の提供
当社は、事故時の損傷状況や損傷箇所の保全が可能な新たな車両撮影ツール(以下、本ツール)の活用を開始しました。
本ツールは、当社からお客さまへSMSを送信し、SMSに記載したURLをお客さまのスマートフォン等で起動いただくことで、お客さまが自動車修理工場にお車を運ぶ前に事故車両の外周360度を撮影できる仕組みになっています。当社は、お客さまに撮影いただいた動画を活用することで修理前の車両損傷状況を正確に保全し、適切な損害認定に取り組みます。なお、本ツールは、お客さまに丁寧な説明を実施したうえで、一部の損害サービス拠点からトライアルを開始し、ツール導入の効果やお客さまの評価を踏まえて、今後の拡大を検討してまいります。
当社は、今後もデジタル技術やAIを駆使しながら、修理費の不正請求根絶に向けた取り組みを進めてまいります。
(2)BM社で修理を行ったお客さまへの対応(2023年10月2日より開始)
BM社で修理を受けられた後に、車検や法定点検をうけておらず、お車の安全性に不安を感じているお客さま※3を対象に、車両走行機能の安全性を確認いただく車両点検サービスを開始します(点検費用は当社にて負担します)。ご希望のお客さまは、専用受付デスク※4までご連絡ください。なお、BM社で修理を受けられた後に、再度、BM社で車検・法定点検を受けられ、お車の安全性に不安を感じているお客さまも本サービスの対象となります。
※3 当社の自動車保険のお客さま・当社の自動車保険のお客さまによる事故のお相手の方
※4 専用受付デスク:0120-496-101(平日9時〜17時)