あいおいニッセイ同和損保 MS&AD INSURANCE GROUP

ビッグモーター社による不適切な自動車保険金請求に対する対応状況について(続報A)(最終更新日:2023年10月16日)

2023年8月29日

ビッグモーター社(以下、「BM社」)が公表した不適切な自動車保険金請求に関しましては、お客さま・関係者の皆さまにご心配とご迷惑をお掛けしており、心よりお詫び申し上げます。


当社では、今回の不適切な自動車保険金請求が発生したことを厳粛に受け止めており、不正請求の全容解明と本件で被害にあわれたお客さまの被害回復を最優先に対応するとともに、原因究明と再発防止策の策定・実行に努めております。


以下、お客さまのご不安解消に向けた当社の取り組み状況と不正請求防止に関する当社の対応等についてお知らせします。


※ ビッグモーター社は、株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス、株式会社ビーエムハナテンの3社をいいます。


1.お客さまのご不安解消に向けた当社の取り組み状況

当社は、BM社に対して今般の修理費不正請求にかかる過去の修理事案の修理内容および修理費請求の全量調査の実施を強く要請しておりますが、全容解明とお客さまの被害状況の確認および被害回復に向けて、当社独自調査※1も並行して実施しております。

事故に遭われたお車をBM社にて修理されたお客さまには、7月31日より順次ご案内文を送付しております。現在の「お客さまへの案内状の送付状況」や「当社独自調査の状況」等についてお知らせします。ご不明な点やご不安等ございましたら、BM社による不適切な自動車保険金請求に関するお客さまサポートデスク※2にお問合わせください。

※1 遡及調査が可能な2016年4月以降にBM社に入庫・協定してお支払いをした自動車保険金(車両保険金・対物賠償保険金)の事案を対象として、当社車両損害の専門知識を有する職員が、当社が保有する当時の事故資料等を再検証して確認する調査

※2 お客さまサポートデスク:0120-260-503(年末年始を除く、全日9:00〜17:00)

2023年10月16日より受付終了時間を17時に変更させていただきます。


(1)お客さまへの案内状送付状況

当社独自調査の対象となる、事故に遭われたお車を2016年4月以降にBM社にて修理されたお客さま宛(約2.1万件)に「ビッグモーター社による不適切な保険金請求」に関するご案内文を送付しております。8月29日時点で約9割超のお客さまにご案内文を送付しており、8月31日までにすべてのお客さまに送付をさせていただく見込みです。


(2)当社独自調査の状況

当社独自調査は、調査対象件数(約2.1万件)のうち、8月29日時点で約1万件の調査を完了※3しており、BM社が不適切な自動車保険金請求を認めた事案については、順次当社からお客さまにご連絡し、改めて過去の保険使用についてご意向を確認させていただくとともに、保険を使用しないご意向のお客さまには、過去に遡り自動車保険の等級訂正・保険料の返戻対応等を進めております。

被害にあわれたお客さまの一日でも早い被害回復を最優先に取り組み、早期の調査完了を目指し対応しておりますので、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

※3当社独自調査は2023年10月末の調査完了を目標に対応してまいります。

なお、本件で被害にあわれたお客さまの被害回復を最優先に対応する観点から、BM社による調査が遅延した場合等には、BM社との保険金の再協定を待たずに、当社にて等級訂正等のお客さま対応を進めてまいります。


(3)BM社にて修理を行ったお客さまへの対応

BM社での修理内容にご不安を感じているお客さまへの対応として、当社の費用負担でお客さまのお車の安全性を点検する仕組みを構築しております。対象のお客さま等、詳細につきましては改めてご案内させていただきます。

2.BM社の事案を踏まえた不正請求防止に向けた当社査定体制の強化

当社では、今回の不適切な自動車保険金請求が発生したことを厳粛に受け止めており、原因究明に基づく再発防止策の策定・実行に努めております。当社査定実務においては、お客さまのご不安解消に向けた取り組みとして8月より順次日常業務のチェック体制を強化しております。今後も本件にかかる更なる再発防止策を継続的に検討し改善してまいります。


(1)日常対応における強化策(実施済み)

@画像調査に対するスポット立会調査、サンプリング調査等の強化

画像による損害調査を行う場合においては、損傷箇所や修理内容・範囲が不明瞭な場合の立会調査への切り替えや修理工場の特性を踏まえたスポットでの立会調査の実施、修理に関する確認資料の見直しを行い、不正請求防止に向けた牽制機能を強化しました。

Aアジャスター※4および事故対応担当者による不正防止のチェック強化

BM社の不正手口を踏まえ、全アジャスターおよび事故担当者に不正請求防止に向けた研修を実施するとともに、事故受付時にお客さまに損傷個所を丁寧にお聞きするなど、不正請求防止に向けて取り組んでおります。

※4 自動車の損害額の確認や事故の原因・状況など、損害調査業務を行う者


(2)AIやDXを活用した対策

@事故損傷箇所の保全に向けた機能の提供

事故に遭われたお客さまに車両撮影ツールを案内し、外周360度をスマートフォン撮影いただくことで、事故時の損傷状況・箇所の保全を図るとともに、提供いただいた動画をもとに画像解析を行うツールを導入する予定です。車両引取り時等でも同ツールを活用することで、お客さまと損傷箇所の認識合わせを実施する運営にも取り組んでまいります。

AAIを活用した不正検知システムの開発検討(Aioi R&D Lab-Oxfordとの共同取組)

修理費を構成するさまざまな要素を最先端のAIが多面的・網羅的に分析し、人間とAIがそれぞれの強みを活かしながら不正の可能性を早期に発見することを目指し、「AIを用いた修理工場ごとの修理費特性や傾向を分析する新たなシステム」の開発に着手します。本システムは、当社が長年にわたって蓄積してきた膨大な修理費データを活用し、オックスフォード大学のAIベンチャーであるMind Foundryと当社との共同研究所であるAioi R&D Lab-Oxfordを中心に行います。

3.当社提携修理工場への対応

今般の修理費不正請求の事案を受け、当社提携修理工場の透明性の確保とお客さまが安心して当社提携修理工場をご利用いただけるよう、「実態調査」「全国一斉点検」を実施しております。また、当社提携修理工場の経営者に修理費不正請求を発生させないための重要点検項目等をご提供することで、当社提携修理工場における自主点検を支援してまいります。


(1)修理工場単位の修理費データ分析と異常検知先に対する実態調査

当社が保有する修理費データを活用し、修理工場ごとに修理費(部品費、工賃、塗装費等)の単価推移や部品単位(バンパー、外板パネル等)の修理・交換頻度などをモニタリングします。異常値が検知された修理工場に対しては、アジャスターの立会調査によるチェックの強化・実態調査を実施しております。


(2)提携修理工場の一斉点検

今般の不正請求手口を踏まえた点検項目も追加し、毎年12月に実施している「提携修理工場の総点検」を8月から前倒しで実施しております(9月15日までに点検完了予定)。

4.お客さまの更なる利便性向上に向けた提携修理工場のお客さま選択スキームの導入

事故で修理が必要となり修理工場が未定のお客さまには、複数の提携修理工場からお客さまご自身で提携修理工場を選択できるスキームを新たに導入します。具体的には修理工場をお探しのお客さまに、お住まいの近隣の複数工場を抽出のうえ、専用Webサイト・アプリ等で提携修理工場の外観や接客スペースの写真、営業時間等の諸情報などをご案内し、お客さまのご確認の下、お選びいただくことを検討しています。

また、これまで以上にお客さまが安心して当社提携修理工場をご利用いただけるよう、提携修理工場の品質基準の見直しにも着手しております。当社は、高品質な工場設備を有し、代車、納車・引取の無料サービスを提供するなど、お客さまに利便性の高い高品質なサービスを提供できるよう、提携修理工場をご紹介する仕組みの継続的な改善に努めてまいります。