あいおいニッセイ同和損保 MS&AD INSURANCE GROUP

2016年 年頭所感 −革新、その先の成長へ−

2016年1月4日
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

本資料は社長鈴木久仁の社員向けメッセージの抜粋です。


全国の皆さん、明けましておめでとうございます。

日頃の社業への皆さんの多大なるご尽力に改めて感謝いたします。2016年の年頭にあたり、社長としての所感を申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。



-昨年を振り返って-

昨年の我が国経済は、企業収益の向上や所得・雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調を辿りました。今後は、中国をはじめとした新興国経済の減速など、注視が必要な要素はあるものの、企業収益が引き続き堅調に推移する見込みであること、加えて米国の利上げに市場が好感するなど、全般的には回復基調が続くものと思われます。

損害保険業界においては、大規模自然災害の影響もあり、上期は3メガグループが揃って保険引受利益面で減益決算となりました。改めて業界全体の収益構造上の課題が浮き彫りになるとともに、防災・減災に向けた取組みの重要性を再認識しました。また、各社による大規模な海外M&Aが続いたことも特徴的でした。今後はますます、国内外において新たな収益源の確保に向けた動きが活発化していくことが予想されます。


-中期経営計画ステージ1と2015年の振り返り-

当社は、中期経営計画「AD Next Challenge 2017」の前半2年としたステージ1において基盤を構築し、「成長」と「効率化」の同時実現を成し遂げるべく、機能別再編・会社構造革新・新チャネル構造革新などの重点取組みを推進してきました。

 例えば、機能別再編では地域再編に伴うグループ内の代理店移管、会社構造革新では部支店の大括り化、地域本部制の解消、営業アシストグループの設置、さらに新チャネル構造革新では新たな販売網づくり、といった課題に着実に取り組んできました。

また、会社構造革新の要である“役割革新”においては、地域型社員の営業業務へのチャレンジ、自動車事故対応における地域型社員の対人担当化などの課題に取り組み、既に具体的な成果に繋げていることに加え、昨年秋には全域型社員の“役割革新”を一気に加速するための施策を実施しました。

いずれも、大変厳しく、困難な道のりでしたが、全社一丸となって取組みを推進してきた結果、収益基盤、組織基盤、要員基盤の構築は、ほぼ計画どおりに進み、目標とするコンバインドレシオ95%水準は計画から1年前倒しし、2016年度にも達成の見込みです。

この間、基盤構築をここまで仕上げてきた皆さんの奮闘に、心から感謝いたします。

また、足下では、台風15号、18号といった大規模自然災害に各部門が一丸となって対応を進めるなど、「全力サポート宣言」で掲げる「迅速」「優しい」「頼れる」を具現化し、お客さまに安心と満足をお届けしてきました。


-中期経営計画ステージ2に向けて-

ここからは、2016年、そして中期経営計画ステージ2で実現したいことについてお話します。 収益基盤の強化は進んでいますが、自動車保険を中心に更に強固な構造を目指す必要があり、自動車保険の増収がステージ2においても最重要であることに変わりはありません。

自動車保険の拡大は、すなわち顧客基盤と販売基盤の構築を果たすことにほかなりません。顧客基盤・販売基盤は、日々の地道な基本活動を通じてのみ創り上げられるものであり、基本活動においてはもう一段の徹底が必要であると考えます。

損害サービス部門においては、お客さま対応品質のレベルアップに不断に取り組み、お客さまからの「感謝の声」拡大に繋げ、事故対応を起点とした当社のファン拡大により、トップラインへの貢献を果たしてください。

さらに、5〜10年先の社会・環境変化を見据えた対応に着手し、実行に移していきます。 

昨年当社は、成長領域へのチャレンジの先行例として、英国BIG社の買収を行いました。これは、単に収益を狙った海外事業への投資ではなく、テレマティクスの高度な技術・ノウハウを手にしたことに本当の意義があります。

当社は、トヨタが提供するつながるサービス「T-Connect」と連動した「つながる自動車保険」の販売によって、先進性・独自性を兼ね備えたビジネスモデルの追求に既に一歩踏み出しています。今後も、テレマティクス技術の高度活用や自動運転を含めた自動車技術革新への対応などを通じて、国内外を問わず、自動車保険の新たな価値を提供し続けていきます。

また、ICT技術が急速に進展する中、マルチデバイスを活用した新たな保険募集スタイルの創造、ビッグデータや人工知能を利用した特長ある商品・サービスの開発、FinTech(フィンテック)を活用した新しいビジネスの可能性などにも的確に対応していきたいと考えます。

そして、トヨタと同じく、次なる戦略展開を活発化させている日本生命とのパートナー関係を最大限活かすことで、先進性・独自性あるビジネスモデルを追求していきます。 

こうした多様化するニーズ・将来の環境変化への対応を見据え、アイデア豊富な若手社員の登用や、ポストチャレンジなどの活用も視野に、中長期の戦略策定・部門横断プロジェクトの推進態勢を整備・強化することで、持続的な成長に繋げていきます。

これらの取組みを支えるための絶対条件が、人財育成・人財活用です。

今後、各部門が求める人財像を明確にしたうえで、本社各部が協力して人財を育成していく体制を強化するとともに、意欲のある社員には積極的に活躍の場を提供していきます。それらを通じて、リーダーシップを発揮し、社会の変化に柔軟に対応できる人財育成・人財活用の実現に繋げていきます。


-結び-

当社が独自の行動指針として掲げる「地域密着」、すなわち地域社会とともに生きるというメッセージは、地域での活動を通じて発信するだけではなく、具体的な成果をもってプレゼンスを示していく必要があります。

 加えて、MS&ADインシュアランス グループの一員であることを常に意識し、中核会社として相応しい貢献を果たすことで、存在感を示していきましょう。

これから始まる2016年は、会社も役職員も、それぞれが新たなステージに大きく一歩踏み出す年となります。今こそ、一人ひとりの革新を、大きな成長へと結びつけてください。

そして、全員が「自信」と「誇り」を胸に新たなステージで飛躍しましょう。


最後になりましたが、本年が全役職員ならびにご家族の皆さまにとって、幸多い年となることを祈念し、私の新年の挨拶といたします。



以上